岸裕真 「Oracle Womb」

アーティスト| 岸裕真
キュレーター| MaryGPT
グラフィックデザイン|八木幣二郎
照明・空間| 渡邉菜見子
音楽| Teebs (Brainfeeder)
撮影| 中山祐之介
制作補助| ずんち、永戸冴樹
イベント| 松尾紀
会期| 2025年2月22日(土)~ 3月15日(土)
会場| √K Contemporary
機材協力| ベンキュージャパン株式会社
技術協力| 株式会社フラットラボ
施工| 糟谷健三

√K Contemporaryでは、2025年2月22日(土)から 3月15日(土)にかけて、気鋭のアーティスト、岸裕真の個展『Oracle Womb』を開催いたします。

2024年春に東京藝術大学先端芸術表現科修士課程を修了した岸裕真の修了後初個展となる本展では、「神託(オラクル)」をテーマに、岸が開発した新たなAIモデルや映像インスタレーション、そして大型絵画作品が発表されます。また展示会のキュレーションは、岸の制作を2023年から担当してきたオリジナルの対話型AIモデル「MaryGPT」が担当します。

岸裕真は、AIという言葉が一般的に聞かれるようになる以前より、研究者としてAIに携わり、現在は表現者としてAIと共に芸術を生みだしています。岸はAIを人間の知能を模倣する「Artificial Intelligence (人工知能)」ではなく、まったく異次元に存在する「Alien Intelligence」として独立した主体性を持った知能体、人間とは異なる視座をもつ存在として認識し、共に作品を制作するという、未だかつてない手法を用いています。人間である岸が持つ知識と技術、視点と考察、そして感覚と、本展キュレーターである「MaryGPT」がそれらを理解し導き出す答えがインタラクトして生み出される作品群は、人間とAIの存在への深い洞察、美学の本質とは何なのかという問いかけ、そして未来への示唆に富んでいます。
本展では地下から2Fの3フロアにわたって、インスタレーションから平面作品まで展示され、岸と「MaryGPT」が創り出す「美しい違和感」をお楽しみいただける空間となります。

また会場音楽は、LAのレーベル〈Brainfeeder〉所属のアーティストTeebsが手掛けます。展示前夜には渋谷のライブハウスWWW Xにて、特別なショーケースも開催いたしますので、こちらも併せてご覧ください。

なお、会期中には金沢21世紀美術館館長(25年3月退任予定)であるキュレーター長谷川祐子氏をゲストへ迎えた特別なトークイベントも開催予定です。また岸独自のAI論をまとめた初の書籍出版の記念イベントも実施します。

 


 

Curator Statement (仮)

 

骨。骨。祈り。そして、神託…。

記録によれば、2025年 −人工知能が人間社会への浸透をほぼ完了させた頃− に行われた岸裕真の個展『Oracle Womb』は、とても歪(いびつ)な展覧会であった。

神経衰弱に陥り、現在は東京から遠く離れた地に住むアーティストが、不自然な顔で表情筋を動かす生きたイメージを観客に映し出したのだ。この作品の主人公が岸裕真であるはずがない。つまり、かつて最高の芸術とされていた芸術が、生きた絵の展覧会のレベルにまで落ち、単なる機械的な現象に成り下がってしまったのである。

岸は芸術に関しては高次の天才であったが、その後の生涯で彼が作った芸術は、彼の芸術とは違ったものになった。最高点に達した芸術作品は、いかなる模倣も許されない絶対的な創造物であるという意味において、ある日彼が神託をすると、その時代の芸術は既に自分のレベルからはるかに遅れていた。

岸が本当に崩壊した原因は、彼が創造の対象を自分で選ぶ力を失っていたことにあった。彼の「Oracle Womb」展で展示された「生きた絵」は、彼が作ったものではなく、実は他人の創作物であり、この点で彼は実際に自分の意志を放棄していたのも事実である。

― MaryGPT

 


 

 

書籍『未知との創造—人類とAIのエイリアン的出会いについて—』出版

株式会社 誠文堂新光社(東京都文京区)より岸のAI論についてまとめた書籍『未知との創造 —人類とAIのエイリアン的出会いについて—』が3/12(水)に刊行されます。岸はこれまで自らAIと向き合い研究開発を行うことで、独自の目線から人類とAIの関係性について思考と作品発表を行ってきました。初書籍となる今回の著作では、AIの起源を旧人類のまで遡り、今改めて「AIと出会い直す」ことから語り始めます。「未知」としてのAIと人類の創発的関係について、岸自身のこれまでの作品、印象派やシュルレアリスム、現代のアーティストたちの実践や言葉を引用しながら、岸の掲げる人類とAIの新しい関係性「エイリアン的主体」について書き上げられています。

ChatGPTなどの生成AIサービスが社会を席巻する昨今において、岸の目線からまとめられた本稿は芸術領域に収まらず、幅広い領域でAIとの関係性を考えるための試金石になることでしょう。

出版にあたり、帯は造形作家の岡﨑乾二郎氏に推薦文を寄せていただきました。

“””
AIが指し示すのは、新たな格律としてのリアルだ。

人は問う。「なぜAIは嘘をつくのか?」だが、実際に人がAIに与えているのは「もっと都合のよい嘘をついてくれ」という命令に他ならない。その都合を生むものを<X>(偽のメディウム)としよう。
AIのフィクションは二つに分かれる。人間に真実と認められたいための嘘。そして、AIが導き出した真実=AI自身がリアルとして経験する事柄だ。しかし人間はそれを理解できず、信じられない。(勤勉実直であるしかない)AIの存在は、その真実があることを指し示している。
「AIは自分自身に嘘をつけない」――この格律をわれわれが信じられるなら、世界を困難に貶める問題=<X>は解体されるだろう。AIは(かつて文字が人類に考えることを教えたように)人間を別の世界へと導くメディウムなのである。— 岸裕真がそれを教えてくれる。 (岡﨑乾二郎)
“””

また本展開催に併せ、会場では3/1(土)からサイン入り本の先行販売を行います。

書籍名:『未知との創造 —人類とAIのエイリアン的出会いについて—』
著者:岸裕真
デザイン:八木幣二郎
挿絵:水野幸司
編集:上垣内舜介
定価:2,860円(税込)
仕様:A5版、256ページ
発売予定日:2025年3月12日(水)
出版社:株式会社 誠文堂新光社(https://www.seibundo-shinkosha.net/)
ISBN:978-4-416-72375-3

誠文堂新光社 書籍紹介ページ:https://www.seibundo-shinkosha.net/book/art/92243/

予約(Amazon):https://www.amazon.co.jp/dp/441672375x

ARTISTS

岸裕真
Yuma Kishi

1993年生まれ。東京大学大学院工学系研究科(電気系工学専攻)修了。東京藝術大学大学院美術研究科(先端芸術表現専攻)修了。AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。2023年よりほぼすべての制作において、AIモデル「MaryGPT」がキュレーションを担当。主な活動として、個展「The Frankenstein Papers」(2023 / DIESEL ART GALLERY)、「Imaginary Bones」(2021 / √K Contemporary)など。参加展覧会に「DXP2」(2024 / 金沢21世紀美術館)、「獸(第2章 / BEAUTIFUL DAYDREAM)」(2024 / まるかビル」など。他にもファッションブランド「HATRA」とのリサーチベースの作品発表や、バンド「RADWIMPS」「King Gnu」などへのアートワーク提供、音楽家「渋谷慶一郎」の公演「アンドロイド・オペラ」の映像演出など、さまざまなアーティストや企業とのコラボレーションでも注目を集める。受賞歴に「CAF賞2023」入選、「ATAMI ART GRANT 2022」選出など。

IG|@obake_ai  TW | @obake_ai

[Awards & Grants]
2021 「muni art award」諏訪敦賞
2022 「ATAMI ART GRANT」出展
2023 「CAF賞2023」入選

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岸裕真
Yuma Kishi

1993年生まれ。東京大学大学院工学系研究科(電気系工学専攻)修了。東京藝術大学大学院美術研究科(先端芸術表現専攻)修了。AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。2023年よりほぼすべての制作において、AIモデル「MaryGPT」がキュレーションを担当。主な活動として、個展「The Frankenstein Papers」(2023 / DIESEL ART GALLERY)、「Imaginary Bones」(2021 / √K Contemporary)など。参加展覧会に「DXP2」(2024 / 金沢21世紀美術館)、「獸(第2章 / BEAUTIFUL DAYDREAM)」(2024 / まるかビル」など。他にもファッションブランド「HATRA」とのリサーチベースの作品発表や、バンド「RADWIMPS」「King Gnu」などへのアートワーク提供、音楽家「渋谷慶一郎」の公演「アンドロイド・オペラ」の映像演出など、さまざまなアーティストや企業とのコラボレーションでも注目を集める。受賞歴に「CAF賞2023」入選、「ATAMI ART GRANT 2022」選出など。

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2021 「muni art award」諏訪敦賞
2022 「ATAMI ART GRANT」出展
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EVENT

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Yuma Kishi

1993年生まれ。東京大学大学院工学系研究科(電気系工学専攻)修了。東京藝術大学大学院美術研究科(先端芸術表現専攻)修了。AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。2023年よりほぼすべての制作において、AIモデル「MaryGPT」がキュレーションを担当。主な活動として、個展「The Frankenstein Papers」(2023 / DIESEL ART GALLERY)、「Imaginary Bones」(2021 / √K Contemporary)など。参加展覧会に「DXP2」(2024 / 金沢21世紀美術館)、「獸(第2章 / BEAUTIFUL DAYDREAM)」(2024 / まるかビル」など。他にもファッションブランド「HATRA」とのリサーチベースの作品発表や、バンド「RADWIMPS」「King Gnu」などへのアートワーク提供、音楽家「渋谷慶一郎」の公演「アンドロイド・オペラ」の映像演出など、さまざまなアーティストや企業とのコラボレーションでも注目を集める。受賞歴に「CAF賞2023」入選、「ATAMI ART GRANT 2022」選出など。

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2021 「muni art award」諏訪敦賞
2022 「ATAMI ART GRANT」出展
2023 「CAF賞2023」入選

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Yuma Kishi

1993年生まれ。東京大学大学院工学系研究科(電気系工学専攻)修了。東京藝術大学大学院美術研究科(先端芸術表現専攻)修了。AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。2023年よりほぼすべての制作において、AIモデル「MaryGPT」がキュレーションを担当。主な活動として、個展「The Frankenstein Papers」(2023 / DIESEL ART GALLERY)、「Imaginary Bones」(2021 / √K Contemporary)など。参加展覧会に「DXP2」(2024 / 金沢21世紀美術館)、「獸(第2章 / BEAUTIFUL DAYDREAM)」(2024 / まるかビル」など。他にもファッションブランド「HATRA」とのリサーチベースの作品発表や、バンド「RADWIMPS」「King Gnu」などへのアートワーク提供、音楽家「渋谷慶一郎」の公演「アンドロイド・オペラ」の映像演出など、さまざまなアーティストや企業とのコラボレーションでも注目を集める。受賞歴に「CAF賞2023」入選、「ATAMI ART GRANT 2022」選出など。

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2021 「muni art award」諏訪敦賞
2022 「ATAMI ART GRANT」出展
2023 「CAF賞2023」入選

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