関東圏では約4年ぶりとなる包括的な八木夕菜の個展「視/覚の偏/遍在」の初日となる4月29日(金・祝)、八木夕菜(現代アーティスト)、木村絵理子氏(横浜美術館主任学芸員)、そしてモデレーターに隅本晋太朗氏(インディペンデントキュレーター)によるギャラリートークを開催いたします。
【ギャラリートーク アーカイブ配信】
ギャラリートークの動画を公開しました。
是非ご覧ください!
https://www.youtube.com/watch?v=O-Mxusy5SIA
八木夕菜 個展「視/覚の偏/遍在」
会期| 2022年4月29日(金・祝)~ 5月28日(土)
*日・月 休み (GW期間中の祝日は開廊)
会場| √K Contemporary
入場料| 無料
主催| √K Contemporary
協力| FLAT LABO
作家在廊予定|
八木夕菜の在廊予定は下記日時となります。
尚、今後変更になる場合がございますので、弊廊までお問合せください。
5/17 14:00-19:00
5/26 14:00-17:30
5/27 14:00-19:00
|本展について|
本展では、八木夕菜の新旧作を展示いたします。
今回発表する新作シリーズは、砂丘をモチーフとし、アクリルやスチールといった、通常は支持体として用いる事のない素材にプリントされ、「写真」の可能性を拡張する作品群となっています。
透過性の高いアクリルのブロックにプリントされた画像は、光の屈折により見る角度によって異なる景色を見せます。レンズを通したかのように、ある限られた視点しか見えない角度、肉眼でみる風景に近いような全体が見える角度、反対に画像が全く見えない死角。八木夕菜の作品群は光の性質と人間の視覚の関係性を認識させ、私たちがそれぞれ当たり前のように持っている「視覚」が常に「何か」に依存するものであることを気づかせてくれます。
今回、八木夕菜はコロナ禍で自然を求めて訪れた砂丘で広大な大地の姿を目にしました。
自らの視覚とファインダーを通した視点。
八木の作品には、その「ズレ」が表現され、鑑賞者は、自分たちが「見る」もの、そしてその行為と認識への疑問符を啓示させられます。
果たして自分が見ている「モノ」は実際はどんなものなのか、「視覚」がとらえた「モノ」がどう「認識」され、そして認識された情報がどう「偏り」を持ちながら、「モノ」が自分の中に存在するのか。
自分の視覚が捉え、認識する「モノ」は、個々の心/信条の在り方によって変っていくものなのではないでしょうか。
現代のデジタル社会において、物理的に「モノ」を「見て」、「認識」するという視覚のプロセスが変動している中、八木夕菜の作品群が、「存在」を認識する人間の感覚を再考する機会となりましたら幸甚です。
| Artist Statement|
視/覚の偏/遍在
Visual/Cognition/Polarity/Universality
『見る』という行為は、視覚の情報を得、その情報を感覚として認識する一連のプロセスである。この我々の『見る』プロセスには、二つのバイアスによるパラドックスが生じうる。
一つ目は、我々が得た視覚情報をどれだけ現実(リアル)なまま認識出来ているのかという個人内のバイアスである − 時にこれは視覚情報を脳内で補正を行い、実際(リアル)よりも美しく感じさせるといった福音をもたらすこともある。つまり視覚とは、細部に焦点を当て、偏って見ることと焦点をぼやかし遍く認識する事から成り立っている。
二つ目は、現実(リアル)から得た視覚情報を他人と同様に認識出来ているのかという個人間のバイアスである − これは主客の一致の問いを越えて、なぜ我々は同一のものを見ていると感じるのかという現象学的な問いへと発展する。個々に認識しているものが偏っているという確信と、遍く多くの人が同じものを認識している確信とが並存していると云える。
2020年6月、緊急事態宣言が解除されて直ぐ、私は自然を求めて砂丘を訪れた。
そこには、視界を遮ることのない悠々と拡がる広大な砂地の景色がぼんやりと蜃気楼のように立ち現れ、更に遠くに目を向けると、どこまで行っても接することのない空と海の境界線(地平線)が見えた。足元には、砂によって可視化された風の痕跡や波の粒子など、どこまでも解像度の高い自然風景の断片を切り取ることが出来た。目の前に拡がる広大な景色とファインダー越しに見る限定的な視覚情報の差異は、視/覚のズレを生じさせる。そうして脳内で再構成された砂丘は、現実を超えた美しさであった。
時折、ものを見ていると視覚を越えた感覚が認識されることがある。時に『もの』は、我々個人の中に視/覚を通じて独自の認識を形成する。しかしその時、我々は、他人と同じ『もの』を見ているのだという確信も同時に持っている。これらの視/覚の偏/遍在は、あたかも心/信条の在り方と同様ではないだろうか。
Covid-19やロシア・ウクライナ戦争など、様々な心情や信条の分断が生じている現状において、視/覚の偏/遍在を体感しつつも、それでも同じ『もの』を『見る』ことへの可能性を提示したい。
八木夕菜
| Gallery Talk |
関東圏では約4年ぶりとなる包括的な八木夕菜の個展「視/覚の偏/遍在」の初日となる4月29日(金・祝)、八木夕菜(現代アーティスト)、木村絵理子氏(横浜美術館主任学芸員)、そしてモデレーターに隅本晋太朗氏(インディペンデントキュレーター)によるギャラリートークを開催いたします。
是非ご参加ください!
日時|2022年4月29日(金・祝)15:00~16:30
会場|√K Contemporary (新宿区南町6)
参加費|無料
ご予約・詳細はこちら|https://rootk-yunayagi-exhibition2022.peatix.com/
【ギャラリートーク アーカイブ配信】
ギャラリートークの動画を公開しました。
是非ご覧ください!
アーカイブ配信リンク|https://www.youtube.com/watch?v=O-Mxusy5SIA
| Special Event |
Art Meditation | 伊藤東凌 x 八木夕菜
京都 両足院の副住職 伊藤東凌氏をお迎えし、八木夕菜の作品群が展示されたギャラリー空間の中で歩きながら瞑想をする「歩行禅」を行うスペシャルイベントを開催します。
瞑想によって、どのような気づきがあり、自己の視点・視覚、そして認識がどのように変わるのか?
「歩行禅」の前後で作品と対峙することで、見え方や捉え方、感じ方がどのように変化するのかを体験できるセッションとなっています。
現代アートや衣食住など、現代的なアプローチから禅の教えを伝える伊藤東凌和尚、そして現代アーティスト 八木夕菜の二人によるスペシャルイベントを是非お楽しみください。
日時|2022年5月26日(木)17:30~19:00
会場|√K Contemporary (新宿区南町6)
参加費|2000円
ご予約・詳細はこちら|http://ptix.at/Rc4N6v
IMAGES
ARTISTS
2004年、ニューヨーク・パーソンズ美術大学建築学部卒業。カナダ、ニューヨーク、ベルリンを経て、現在は京都を拠点に活動。「見る」という行為の体験を通して物事の真理を追求する。様々な素材を用いて視覚を揺さぶる平面や立体作品、インスタレーションを国内外で発表している。
近年では、世界を旅して撮影した写真をアクリルブロックにとじ込めた立体作品郡「ひとつになる世界」(2015) や、写真にアルゴリズムを施し画像を歪ませた「崩れゆく世界」(2016)、日本の葬祭場から日本人の死生観を考察した「祈りの空間」(2017) 、光と影をテーマにした「BLANC/BLACK」(2019)などを発表。主な展覧会に、Pola Museum Annex 銀座「NOWHERE」(2018)、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭「種覚ゆ」(2021)など。
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」ポートフォリオ・レビュー 最優秀 ハッセルブラッド賞(2016)受賞。パリ国際現代写真アートフェア、FOTOFEVER (2017) に招待作家として参加し、2019年Eberhard Awardsにノミネート。「DESIGNART 2019 」ではBIG EMOTIONS AWARDSを受賞。
<主な受賞歴>
2019年 「パリ国際現代写真アートフェア / FOTOFEVER」Eberhard Awardsノミネート
2019年 「DESIGNART 2019」 BIG EMOTIONS AWARDS受賞
2019年 「写真の町 東川賞」 新人賞ノミネート
2017年 「パリ国際現代写真アートフェア / FOTOFEVER」 招待作家
2016年 「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」ポートフォリオ・レビュー 最優秀 ハッセルブラッド賞
< パブリックコレクション >
金沢21世紀美術館、The Reign Hotel Kyoto
Artist HP|https://yunayagi.com/
IG|@yunayagi FB|@artistYUNAYAGI
2004年、ニューヨーク・パーソンズ美術大学建築学部卒業。カナダ、ニューヨーク、ベルリンを経て、現在は京都を拠点に活動。「見る」という行為の体験を通して物事の真理を追求する。様々な素材を用いて視覚を揺さぶる平面や立体作品、インスタレーションを国内外で発表している。
近年では、世界を旅して撮影した写真をアクリルブロックにとじ込めた立体作品郡「ひとつになる世界」(2015) や、写真にアルゴリズムを施し画像を歪ませた「崩れゆく世界」(2016)、日本の葬祭場から日本人の死生観を考察した「祈りの空間」(2017) 、光と影をテーマにした「BLANC/BLACK」(2019)などを発表。主な展覧会に、Pola Museum Annex 銀座「NOWHERE」(2018)、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭「種覚ゆ」(2021)など。
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」ポートフォリオ・レビュー 最優秀 ハッセルブラッド賞(2016)受賞。パリ国際現代写真アートフェア、FOTOFEVER (2017) に招待作家として参加し、2019年Eberhard Awardsにノミネート。「DESIGNART 2019 」ではBIG EMOTIONS AWARDSを受賞。
<主な受賞歴>
2019年 「パリ国際現代写真アートフェア / FOTOFEVER」Eberhard Awardsノミネート
2019年 「DESIGNART 2019」 BIG EMOTIONS AWARDS受賞
2019年 「写真の町 東川賞」 新人賞ノミネート
2017年 「パリ国際現代写真アートフェア / FOTOFEVER」 招待作家
2016年 「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」ポートフォリオ・レビュー 最優秀 ハッセルブラッド賞
< パブリックコレクション >
金沢21世紀美術館、The Reign Hotel Kyoto
Artist HP|https://yunayagi.com/
IG|@yunayagi FB|@artistYUNAYAGI
EVENT
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2022.04.29八木夕菜x木村絵理子 ギャラリートーク2022.04.29 (fri)
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2022.05.03八木 夕菜 ギャラリーツアー
5月3日(火・祝)に、作家によるギャラリーツアーを開催いたします。
アーティストによる作品解説を聞きながら作品をご覧いただける機会です。
申し込みは不要となりますので、 以下の時間に合わせてお越しください。
2022年5月3日(火・祝)14:00~、15:00~、16:00~
所要時間 30分~40分2022.5.3 (tue) 14:00, 15:00, 16:00 -
2022.05.26Art Meditation | 伊藤東凌 x 八木夕菜
京都 両足院の副住職 伊藤東凌氏をお迎えし、八木夕菜の作品群が展示されたギャラリー空間の中で歩きながら瞑想をする「歩行禅」を行うスペシャルイベントを開催します。
瞑想によって、どのような気づきがあり、自己の視点・視覚、そして認識がどのように変わるのか?
「歩行禅」の前後で作品と対峙することで、見え方や捉え方、感じ方がどのように変化するのかを体験できるセッションとなっています。
現代アートや衣食住など、現代的なアプローチから禅の教えを伝える伊藤東凌和尚、そして現代アーティスト 八木夕菜の二人によるスペシャルイベントを是非お楽しみください。
参加費|2000円
2022.5.26 (thurs) 17:30-19:00