Soh Souen「Your Body is the Shoreline」

Dates|2023年9月16日(土)~ 10月14日(土)
Hours|1~2F: Performance & Paintings 15時~19時 / B1F:  Installation 11時~19時

*本展は、通常の営業時間と異なりますので、ご注意ください。
*9/19~9/21はパフォーマンスはございません。

√K Contemporaryでは2023年9月16日(土)~10月14日(土)にかけて、気鋭のアーティストSoh Souen(ソー・ソウエン)の個展「Your Body is the Shoreline」を開催いたします。

本展では、近年Soh Souenが展開するパフォーマンスを中心とし、インスタレーションから絵画作品までを展示し、「身体」と「わたし」をテーマとして新たな表現に挑み続けるSoh Souenの精神性あふれる世界を展開します。

オープニングとなる9月16日(土)には、2021年よりオランダ/日本にて遠隔プロジェクトを共同制作しているSara Milioを招いたパフォーマンスを行う他、9月22日から10月14日にかけては、作家が生命の象徴である卵を挟み続けるパフォーマンス《Eggsercise》を連日15時~19時にかけて実施いたします。生命の象徴としての「卵」を「身体」で落とさぬように支え続けるこのパフォーマンスは、「わたし」と世界や他者との境界線がどこにあるのか、そもそも身体性とは、生命とは何なのか、といった多くの問いに対する答えを探る過程を目するかのような感覚を覚えます。

また、地下フロアでは15台のモニターに映し出されるお臍と呼吸音で構成されるインスタレーション作品《Bellybutton and Breathing ― お臍と呼吸》を展示いたします。映像モニターに映し出される15人のお臍と空間に響く呼吸音。コロナ禍において他人の呼吸音におののくという、いまだかつてない経験を経た私たちが、今どのように呼吸を捉えるのか、ぜひ体験してみてください。

さらに、2Fの展示空間では身体性をテーマとした絵画作品を展示いたします。両手を対称的に動かすことで身体が浮かび上がるような「Why do I have two hands, eyes, and nipples on my both sides?」や「身体の穴を穴だらけに描くシリーズより」など、ソー・ソウエンが一貫してテーマとしている「身体」というキーワードが浮かび上がる作品群となります。その他、自身の身体をトレースしてブリーチした「Bleaching」も展示予定です。

パフォーマンス、インスタレーション、そして絵画まで、ソー・ソウエン作品が生み出す独特な緊張感と柔和さを感性が研ぎ澄まされる静謐な空間でご高覧ください。

 


 

  • Performance|《Eggsercise》を9/22以降毎日実施!

 
《エグササイズ》福岡アジア美術館/2022年
 

本展「Your Body is the Shoreline」の見どころの一つが、パフォーマンスです。
9月16日(土)のオープニングでは、イタリア出身(アムステルダム / バリ拠点)のアーティスト、Sara Milioを招いたパフォーマンス《The Egg》を実施、そして9月22日(金)以降はSoh Souenが毎日15時~19時の4時間にわたるパフォーマンス《Eggsercise》を行います。アーティストにとっても初めてのチャレンジとなる連日の長時間パフォーマンスは、また新たな発見をもたらすかもしれません。卵を身体のくぼみで挟み続けるこのパフォーマンスを是非ご覧いただき、清澄な緊張感の中で感じ取るものが何なのか、ぜひ体験してみてください。

<< Sara Milio | サラ・ミリオ (ビジュアルアーティスト)>>
1996年イタリア生まれ、インドネシアで育つ。現在、アムステルダム、日本、ベルリンの間で様々なメディアを通して、コラボレーションをベースにした活動を行う。2019年ゲート・リートフェルト・アカデミー卒業後、主にアーティストのソー・ソウエンやニクラス・ビューシャーとのパフォーマンスプロジェクトや映像作品を発表し、並行してアムステルダムとバリを拠点に継続的なペインティングやドローイングの実践を続けている。

Instagram|https://www.instagram.com/sara_milio/

<< パフォーマンス開催日時 >>
9月16日(土) 15時~ 《The Egg》by Sara Milio and Soh Souen
9月22日(金)~ 10月14日(土)15時~19時 《Eggsercise》by Soh Souen

 


 

  • Paintings | 「身体」を通して生を考察する絵画、約10点を展示

 

《身体の穴を穴だらけに描くシリーズより》2023年 1,620×1,303mm 油彩、コットン

 

本展では、身体性を用いて生を見つめる絵画作品を出展します。自己と他者の境界は明確でありながらもその形はなく、しかし「身体」は明確に形として存在して「個」を形成しています。では、「わたし」が存在する「身体」とは?「生」とは?こういった様々な問いかけに対する探究そのものが、Soh Souenの絵画作品の画面には表されています。是非ご高覧ください。

(公開時間:15時~19時)

 


 

  • Installation | 《Bellybutton and Breathing ― お臍と呼吸》を地下1Fの空間にて展示

 

《Bellybutton and Breathing-お臍と呼吸》 参考写真
 
 
地下1Fの空間では、インスタレーション作品《Bellybutton and Breathing ― お臍と呼吸》を展示いたします。母親の体内で他者と一体となって繋がっていたものが、出生と同時に断絶され、呼吸が始まり個としての「わたし」が成立する― お臍はその事象の傷として私たちの身体に残り、外気を取り入れる呼吸と共に動く・・・会場内のモニターに映し出される15人のお臍と呼吸音。外界と「わたし」の関係性を問う本作を外の世界から隔絶したような地下空間でお楽しみください。

(公開時間:11時~19時)

 

 


 

Your Body is the Shoreline

 

わたしたちの身体はどうしてこんな形をしているのでしょう?
どうしてわたしたちは傷つきやすい身体で生きていくのでしょう?
大切な物を守るため身体を使うとはどういうことでしょう?
そもそもわたしや身体ってなんでしょう?

わたしの制作の根底には、いつもこのような問いが横たわっています。

お臍、呼吸、卵といった生命と深く関わりのある物や事象を扱った作品で構成される本展では、普段わたしたちが「わたし」や「身体」と呼んでいるものにまつわる疑問から出発し、作家や鑑賞者の身体を介しながらわたしたちの「生」について考察します。

身体を有する「個」として生きることを前提とする現代の社会において、「わたしの身体はわたしのもの」という考えは(ジェンダー、階級などにおける)様々な闘争のもと確立されてきました。

そうした進歩とはうらはらに、「自分自身」という言葉に代表されるような「わたし=身体」という前提は、無数の他者性に満ちた身体という枠組みを、自己により完全にコントロール可能であるという幻想を生むに加え、他者と区別することで生まれる「わたし」という確固たる線引きは個人主義や孤独、大きな分断と背中合わせとなる危険性ももたらします。

本展が、上に述べた人類の革命の歴史に敬意を払いつつ、身体というわたしから近くて遠い場を探求する様々な実践を通して、生きることがもたらす傷やジレンマを眼差し、解きほぐしていく機会になることを願っています。

 

ー Soh Souen

 


 

  • 本展開催に際して

 

この度、√K Contemporaryは、Soh Souenの個展を開催するにあたり、実験的な展示を開催することといたしました。9月22日から連日パフォーマンスを行い、彼の行為とギャラリー、空間、鑑賞者を繋ぎ、その時々の貴重な時間を体感し、彼の発信する切なくも優しく温かなメッセージを紐解きながら芸術作品という既存の観念に対する新たな価値観を生みだす挑戦です。

彼の表現行為は、自身の社会に対する強いメッセージや心理的抑圧の解放運動の様なものとは違い、自我と非我の境にある概念に静かに訴えかけます。ヒトの感情や欲情はあまりにも無秩序になり、意識と無意識の領域の境界線が曖昧な時代となるなか、私達の人生観はルール無きものになりつつあります。

その様な時代を共有する者として、彼の作品に対する思考への純粋な興味が本展につながりました。

この空間で、ただ互いの隙間を埋め合いながら、他者と自己の境目を紡ぐ行為を実践するSoh Souen。それを鑑賞し時間を共有する人達。それらの日々を芸術に置き換え、その関わりの意味に尊い慈愛を知る機会となれば、私達は本能までも生成する新しいゲノムを提示しているのかもしれないという希望を抱きます。

 

― 加島いち子(√K Contemporary ディレクター)

 


 

寄稿文|『自律(自己)と非自律(他者)のあいだにある身体——ソー・ソウエン個展「Your Body is the Shoreline 」に寄せて』 山本浩貴氏(文化研究者、金沢美術工芸大学講師)

 

『自律(自己)と非自律(他者)のあいだにある身体——ソー・ソウエン個展「Your Body is the Shoreline 」に寄せて』

 

作家論|『波打つ「生」との対話 ソー・ソウエンの実践と思考』 吉岡恵美子氏

『波打つ「生」との対話 ソー・ソウエンの実践と思考』はこちらから

 

IMAGES

  • 《身体の穴を穴だらけに描くシリーズより》2023年  910×727mm  油彩、コットン

  • 《Why do I have two hands, eyes, and nipples on my both sides?》2023年 1,940×1,620 mm  パステル、コットン

  • 《Bleaching #3》2023年 2,213×1,818 mm  ブリーチ、黒布

ARTISTS

ソー・ソウエン
Soh Souen

私たちの生にまつわる事象を身体との関わり合いを通して考察する絵画、インスタレーションやパフォーマンスを国内外にて発表。コロナ禍に始まったイタリア出身(アムステルダム / バリ拠点)のアーティスト Sara Milioとの共同プロジェクトや、銀座エルメスフォーラムにてAgathe Naitoの作品を使用したパフォーマンスを実施するなど、独自の活動を展開している。主な展覧会に「第17回福岡アジア美術館アーティスト・イン・レジデンス成果展 境界を縁取る」 福岡アジア美術館、「絶えず壊れてきたし、壊れ続けている(壊れてはいない)」/ rin art association(群馬)、「京都精華大学 55周年記念展 FATHOM – 塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン」/京都精華大学ギャラリーTera-S (2023年11月予定)など多数。2022年 福岡アジア美術館レジデンスプログラムに招聘。

 

2019年 京都精華大学芸術学部造形学科洋画コース卒業

1995年 福岡県北九州市生まれ

 

Web|https://soh-souen.com/

ソー・ソウエン
Soh Souen

私たちの生にまつわる事象を身体との関わり合いを通して考察する絵画、インスタレーションやパフォーマンスを国内外にて発表。コロナ禍に始まったイタリア出身(アムステルダム / バリ拠点)のアーティスト Sara Milioとの共同プロジェクトや、銀座エルメスフォーラムにてAgathe Naitoの作品を使用したパフォーマンスを実施するなど、独自の活動を展開している。主な展覧会に「第17回福岡アジア美術館アーティスト・イン・レジデンス成果展 境界を縁取る」 福岡アジア美術館、「絶えず壊れてきたし、壊れ続けている(壊れてはいない)」/ rin art association(群馬)、「京都精華大学 55周年記念展 FATHOM – 塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン」/京都精華大学ギャラリーTera-S (2023年11月予定)など多数。2022年 福岡アジア美術館レジデンスプログラムに招聘。

 

2019年 京都精華大学芸術学部造形学科洋画コース卒業

1995年 福岡県北九州市生まれ

 

Web|https://soh-souen.com/

EVENT

  • 2023.08.22
    《The Egg》by Sara Milio and Soh Souen

    オープニング当日の15時より、2021年よりオランダ/日本にて遠隔プロジェクトを共同制作しているSara Milioを招いた、Soh Souenと二人によるパフォーマンスを行います。鑑賞無料/予約不要ですので、ぜひご高覧ください。

    Artist|Sara Milio サラ・ミリオ (ビジュアルアーティスト)
    1996年イタリア生まれ、インドネシアで育つ。現在、アムステルダム、日本、ベルリンの間で様々なメディアを通して、コラボレーションをベースにした活動を行う。2019年ゲート・リートフェルト・アカデミー卒業後、主にアーティストのソー・ソウエンやニクラス・ビューシャーとのパフォーマンスプロジェクトや映像作品を発表し、並行してアムステルダムとバリを拠点に継続的なペインティングやドローイングの実践を続けている。


    開催日時|9月16日(土)15:00~ (約20~30分のパフォーマンスを予定しております。)
  • 2023.08.22
    《Eggsercise》by Soh Souen

    9月22日(金)~10月14日(土)にかけて、開廊日は全日15時~19時の4時間にわたるパフォーマンス《Eggsercise》を行います。
    アーティストにとって初めてのチャレンジとなる連日の長時間パフォーマンスは必見です!
    是非ご覧ください。

    開催日時|9月22日(金)~10月14日(土)15時~19時 

UPCOMINGEXHIBITIONS

ソー・ソウエン
Soh Souen

私たちの生にまつわる事象を身体との関わり合いを通して考察する絵画、インスタレーションやパフォーマンスを国内外にて発表。コロナ禍に始まったイタリア出身(アムステルダム / バリ拠点)のアーティスト Sara Milioとの共同プロジェクトや、銀座エルメスフォーラムにてAgathe Naitoの作品を使用したパフォーマンスを実施するなど、独自の活動を展開している。主な展覧会に「第17回福岡アジア美術館アーティスト・イン・レジデンス成果展 境界を縁取る」 福岡アジア美術館、「絶えず壊れてきたし、壊れ続けている(壊れてはいない)」/ rin art association(群馬)、「京都精華大学 55周年記念展 FATHOM – 塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン」/京都精華大学ギャラリーTera-S (2023年11月予定)など多数。2022年 福岡アジア美術館レジデンスプログラムに招聘。

 

2019年 京都精華大学芸術学部造形学科洋画コース卒業

1995年 福岡県北九州市生まれ

 

Web|https://soh-souen.com/

ソー・ソウエン
Soh Souen

私たちの生にまつわる事象を身体との関わり合いを通して考察する絵画、インスタレーションやパフォーマンスを国内外にて発表。コロナ禍に始まったイタリア出身(アムステルダム / バリ拠点)のアーティスト Sara Milioとの共同プロジェクトや、銀座エルメスフォーラムにてAgathe Naitoの作品を使用したパフォーマンスを実施するなど、独自の活動を展開している。主な展覧会に「第17回福岡アジア美術館アーティスト・イン・レジデンス成果展 境界を縁取る」 福岡アジア美術館、「絶えず壊れてきたし、壊れ続けている(壊れてはいない)」/ rin art association(群馬)、「京都精華大学 55周年記念展 FATHOM – 塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン」/京都精華大学ギャラリーTera-S (2023年11月予定)など多数。2022年 福岡アジア美術館レジデンスプログラムに招聘。

 

2019年 京都精華大学芸術学部造形学科洋画コース卒業

1995年 福岡県北九州市生まれ

 

Web|https://soh-souen.com/

[個展]

2023年
「絶えず壊れてきたし、壊れ続けている(壊れてはいない)」/ rin art association(群馬)

2022年
「Let it sway, like a ripple of agitation. さざなみのように、ゆらいでみる」/ HIRO OKAMOTO(東京)
「Al Borde」/ Taller Sangfer(Oaxaca, Mexico)
「Why do I have two hands, eyes, and nipples on my both sides? どうして私の手は、目は、乳首は二つあるの?/ GALLERY SOAP(福岡)

2020年
「ささやかな叫び」 / The Mass(東京)

2019年
「tie」/ UNION SODA(福岡)

2018年
「sonata / kanata」/ HERTY(群馬)
「caress and hug」企画:石崎孝多/ THE SECRET MUSEUM(東京)

2016年
「dwell」 / VOU(京都)
「body knows everything」/ Gallery Dead Space(京都)

[その他の展示]

【グループ展】
2022年
「(あなた以外の全てが見える)」/ 銀座蔦屋書店ATRIUM(東京)
「Anamorphosis」/ Fir Gallery(北京)
「第17回福岡アジア美術館アーティスト・イン・レジデンス成果展 境界を縁取る」/ Artist Café Fukuoka, 福岡アジア美術館(福岡)

2019年
「dwell」/ 室町シュトラッセ(福岡)
「FLOWER HUDDLE」/ PHILLIPS TOKYO(東京)

2018年
「PORTRAIT」 / The Mass(東京)
「waiting」 / 代官山ヒルサイドテラス gallery ON THE HILL(東京)

2017年
「反面までの距離」/ Gallery Main(京都)

2016年
「連鎖とまたたき」 企画 小出 麻代、高畑紗依 / Gallery Fluer(京都)
「saisei」/ concello de barro(スペイン)

【パフォーマンスプロジェクト】

2023年
「エグササイズ」/ 科学技術館エントランス(東京)

2022年
「Bellybutton and Breathing −お臍と呼吸」/ 福岡アジア美術館あじびホール(福岡)
「エグササイズ」/ 福岡アジア美術館エントランス(福岡)

2021年
「We will sea (Performance with Sara Milio)」/ 虚屯(福岡)