草野 絵美「Ornament Survival」

会期|2026年5月16日(土)- 6月20日(土)
会場|√K Contemporary
協力|Tsubasa Koshide、松井製作所、岸本智也、丹原健翔、木村絵理子
印刷|FLATLABO

2026年5月16日(土)から6月20日(土)にかけて、アーティスト・草野絵美による個展「Ornament Survival」を開催いたします。
本展では、2026年3月に開催されたアートバーゼル香港 Zero10にて発表し、大きな反響を呼んだ新シリーズ《Ornament Survival》を日本初公開いたします。新作を加えさらに進化した同シリーズ、そして《Office Ladies》等の代表作を展示し、草野の創作の変遷をお楽しみいただく機会となります。

草野は、次世代の国際的なデジタルアートシーンにおける先駆者の一人として、独自の位置を築いてきたアーティストです。AIを用いた表現が広く普及する以前から、草野は自身の画像を学習させ、カスタマイズしたAIを用いて作品を創り、M+や金沢21世紀美術館をはじめとした国内外の美術館等で発表してきました。NFTがデジタル作品の新たな流通と受容のかたちとして注目を集め始めた時期から継続的に作品を発表し、近年はその枠組みにとどまらず、フィジカルとデジタルの境界を横断する表現へと実践を拡張しています。アートバーゼル香港2026のデジタルアートセクター、ZERO10では初めての立体作品を発表するなど、その豊かな創造性はとどまるところを知りません。

今回日本初公開となる《Ornament Survival》。
情報に翻弄される現代人の自己および他者からの承認欲求—溢れ続ける欲望は、決して満たされることなく、情報資本主義社会において資源へと変換されていきます。感情は表層のみが切り取られデータ化され、やがてテクノロジーへと置き換えられていく。そのプロセスは、私たちの実存の輪郭さえ曖昧にしていきます。草野が親しんだ1980~90年代の日本カルチャーに対する憧憬すらも消費と再編の中で失いつつある現在、現実と虚構の境界はますます不確かなものとなっています。
本シリーズで草野は、内なる苦悩と欲望をこの時代を生きる女性達のロールモデルとしてのエネルギーへと転換し、幼少期の変身願望と重なり合いながら、新たな表現世界を構築するため「サバイブ=創造」しています。
本展にて、草野絵美の新たなステージを、ぜひ体感ください。

 


 

■ 丹原健翔(キュレーター)によるコメント

草野絵美の作品に繰り返し現れる、1980年代の日本のポップアイドル、魔法少女、看護師や受付といった様式化された女性像は、当時の視覚文化を構成するイメージにとどまらない。1990年代の日本で育った多くの少女にとって、それらは変身や可視性、主体性を思い描くための具体的なモデルであり、同時にこれらイメージは男性中心的なポストバブル期の社会で形成された女性性と切り離せず、外見や望ましさ、振る舞いに関する規範を伴っていた。『美少女戦士セーラームーン』に代表されるように、少女たちが変身する物語が広まるなかで、これらのイメージは「女の子も何者かになれる」という可能性を示しながらも、女性性がどのように見え、どう振る舞うべきかという既存の規範に強く結びついたままでもあった。

新作《Ornament Survival》において扱われるのは、この緊張関係である。草野自身、これらのイメージに惹かれて育った一方で、それらがジェンダー規範や男性的まなざしによって形づくられていたことを、いま振り返って認識していると語る。外側から距離をとって批評するのではなく、その内部にある愛着と違和感が重なる位置を出発点とする本作において、草野が立ち返るのは抽象的な類型ではなく、自己像の形成に深く関わってきた視覚環境そのものである。それはまた、変身や女性性、主体性といったものが、具体的な生の経験として最初に出会われた場でもあった。

本作の中心には、草野自身の身体イメージを用いて複数の自己像を仮構するAI生成画像のシリーズがある。そこで示されるのは確定したアイデンティティではなく、スタイリングや姿勢、文脈の変化を通じて、馴染み深い役割が少しずつ調整されていく一連の試みである。アイデンティティとイメージのあいだの緊張の内部へとあらためて入り直していくこのシリーズは、幼少期に草野が着せ替え人形に役割を与え、場面をつくりながら遊んだ経験に基づいている。そこではアイデンティティは固定されたものではなく、リハーサルの反復を通じて組み立てられていくものとして捉えられている。そこに立ち現れるのは、単なる「あったかもしれない別世界」の並行的な想像ではなく、文化的に学習されてきた役割の絶えざる再構成である。展覧会の中心に置かれる彫刻は、玩具のメイクアップ・コンパクトを拡大した形態をとり、魔法少女文化における変身アイテムを想起させることで、この幼少期の遊びの感覚を空間のなかに強く呼び戻している。

草野の手において生成AIの使用は、既存のイメージとの関係のなかで自己が形成されていく長いプロセスを、別のかたちで持続させるものである。同時に、自身の顔と身体を学習させたモデルを用いることによって、自己は反復可能で、修正可能で、拡張可能な形式へと変換されていく。それは草野自身が語るように、システムのなかでひとつの「標準」に近づいていく運動でもある。ここで反復されているのはアイデンティティそのものだけではない。自己がデータへと変換されていく過程でもある。こうした形式が反復を通して持続していくあり方に向き合うことで、草野はより大きな問いを開いていく。イメージがかつてない速度と親密さで流通する現在において、それはいかにして自己を教え込み続けるのか。さらに、現代では、外見が交渉の場となり、それらの形式を演じること自体が一種の生存戦略に近づいている。そうしたなかで、可視的であり続け、判読可能であるために、アイデンティティはいかに絶えず調整されていくのか。

丹原健翔(たんばら けんしょう)
作家、キュレーター。92年東京生まれ。ハーバード大学美術史学科卒業。作家として活動する傍ら、美術展覧会の企画・キュレーションを行う。「OUT SCHOOL」主宰、「Yurakucho Art Urbanism」実行委員など。主な展覧会に「デバッグの情景」(22年、ANB Tokyo、東京)、「無人のアーク」(Study: 大阪関西国際芸術祭 2023、大阪)、「Back to Thread」(FUJI TEXTILE WEEK 2023、山梨)など。

 


 

■ イベント

本展では、草野の創作背景や思想を掘り下げ、現在大きな注目を集めるAIとアートといったテーマを取り上げたトークイベントを開催いたします。詳細は本ページ下部のEVENTSをご参照ください。

 


 

IMAGES

  • 《Magical Compact 02: Aqua Halo》(2026) Plastic, AI-Photography printed on acrylic

  • 《Blue Core Assembly》(2026) Print on acrylic board, 145.6×103cm

  • 《Model Audience》(2026) Print on acrylic board, 119×84cm

  • 《Transit Bouquet》(2026) Print on acrylic board, 84 × 59 cm

  • 《Nursing the Machine》(2026) Print on acrylic board, AP,119×84cm

ARTISTS

草野絵美
Emi Kusano

マルチディシプリナリー・アーティストであり、世界の生成AIアートシーンを牽引する第一人者の一人。10代で原宿のストリートファッションを記録する写真家としてキャリアを始動し、その初期作品はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に展示された。ファッションと写真におけるこれらの原体験は、マスメディアがいかに個人の、そして集団のアイデンティティを形成するかという、彼女の視座の礎となっている。

以来、彼女の実践は先端技術を統合する形で進化を遂げてきた。そこではAIを単なるツールとしてではなく、共創的なパートナーとして位置づけている。このプロセスを通じ、草野はデジタル時代におけるノスタルジア、ポップカルチャー、そして集合的記憶を批評的に探求している。
その作品は、M+(香港)、サーチ・ギャラリー(ロンドン)、グラン・パレ・イマーシブ(パリ)、フランシスコ・カロリヌム美術館(リンツ)、金沢21世紀美術館など、世界20カ国以上の主要機関で展示されている。また、フリーズ・ソウルやUntitled Art Miamiといった主要な国際アートフェアにも参加。特筆すべきは、写真的な感性とAI生成を融合させた代表作シリーズ『Office Ladies』が「Paris Photo」で特集され、世界的な注目を集めたことである。
2023年のGucciとクリスティーズによるオークションや、2024年のクリスティーズとUNHCRによるチャリティ・オークションへの出品がその象徴である。視覚芸術の枠を超え、音楽ユニット「Satellite Young」の主宰・リードシンガーとしても活動。80年代J-POPを現代的なSFのレンズを通して再解釈し、SXSWなどの国際的なイベントに出演している。
2025年には、世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダー」に選出された。
直近では、サイバーパンク・アニメの金字塔『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』とのコラボレーションによるニューヨークでの初個展『Ego in the Shell』を開催し、高い批評的評価を獲得した。アート・バーゼル香港2026のデジタルアートセクション、Zero10に日本人として唯一出展し大きな反響を呼んだ。

IG : @emiksn
X  : @emikusano

草野絵美
Emi Kusano

マルチディシプリナリー・アーティストであり、世界の生成AIアートシーンを牽引する第一人者の一人。10代で原宿のストリートファッションを記録する写真家としてキャリアを始動し、その初期作品はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に展示された。ファッションと写真におけるこれらの原体験は、マスメディアがいかに個人の、そして集団のアイデンティティを形成するかという、彼女の視座の礎となっている。

以来、彼女の実践は先端技術を統合する形で進化を遂げてきた。そこではAIを単なるツールとしてではなく、共創的なパートナーとして位置づけている。このプロセスを通じ、草野はデジタル時代におけるノスタルジア、ポップカルチャー、そして集合的記憶を批評的に探求している。
その作品は、M+(香港)、サーチ・ギャラリー(ロンドン)、グラン・パレ・イマーシブ(パリ)、フランシスコ・カロリヌム美術館(リンツ)、金沢21世紀美術館など、世界20カ国以上の主要機関で展示されている。また、フリーズ・ソウルやUntitled Art Miamiといった主要な国際アートフェアにも参加。特筆すべきは、写真的な感性とAI生成を融合させた代表作シリーズ『Office Ladies』が「Paris Photo」で特集され、世界的な注目を集めたことである。
2023年のGucciとクリスティーズによるオークションや、2024年のクリスティーズとUNHCRによるチャリティ・オークションへの出品がその象徴である。視覚芸術の枠を超え、音楽ユニット「Satellite Young」の主宰・リードシンガーとしても活動。80年代J-POPを現代的なSFのレンズを通して再解釈し、SXSWなどの国際的なイベントに出演している。
2025年には、世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダー」に選出された。
直近では、サイバーパンク・アニメの金字塔『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』とのコラボレーションによるニューヨークでの初個展『Ego in the Shell』を開催し、高い批評的評価を獲得した。アート・バーゼル香港2026のデジタルアートセクション、Zero10に日本人として唯一出展し大きな反響を呼んだ。

IG : @emiksn
X  : @emikusano

EVENT

  • Gallery Talk vol.1 |椿玲子 × 草野絵美:美術史の中のAIアートの現在

    5月22日(金)18時より 椿玲子氏(森美術館キュレーター・TOKYO NODE 兼務)と草野絵美による対談イベントを開催します。

    参加無料・予約制参加申込▶ info@root-k.jp
    参加ご希望の方は お名前 人数 を明記の上ご連絡ください

    ▶ ゲスト|椿玲子(森美術館キュレーター、TOKYO NODE兼務)
    2002年より森美術館所属、2025年8月よりTOKYO NODE兼務。森美術館では、「医学と芸術」(2010)、「宇宙と芸術」(2016)(2017シンガポール、アートサイエンス・ミュージアムに巡回)、「レアンドロ・エルリッヒ」 (2017)、「六本木クロッシング2019」(2019)、「STARS」(2020)、「私たちのエコロジー」(2023)、「ルイーズ・ブルジョワ」(2024-2025)、「藤本壮介の建築」(2025)などを企画。小企画では、ホー・ツーニェン、タラ・マダニ、カミーユ・アンロ、高田冬彦、シプリアン・ガイヤール、ツァオ・フェイ、山内祥太などを紹介、「MAMリサーチ006:クロニクル京都1990s」、「MAM リサーチ011:東京アンダーグラウンド」を企画。
    現在、TOKYO NODEにて開催される「トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま~魔術、メディア、アート~」(2026年7月3日~9月27日)を準備中。館外でも、企画・執筆・講演・審査などを行う。

    開催日時: 2026年5月22日(金)18時
  • Gallery Talk vol.2 |スプツニ子! × 草野絵美:グローバルアートシーンの中でのフェミニズム

    5月29日(金)17時より スプツニ子!氏(アーティスト)と草野絵美による対談イベントを開催します。

    参加無料・予約制参加申込▶ info@root-k.jp
    参加ご希望の方は お名前 人数 を明記の上ご連絡ください

    ▶ ゲスト|スプツニ子!(アーティスト)
    スプツニ子!は、イギリスと日本をバックグラウンドに持つアーティストである。映像、ロボティクス、音楽、インタラクティブ・インスタレーションなど多彩な手法を用い、テクノロジーとアイデンティティ、現代社会の交差点を探求する作品を制作している。遊び心にあふれながらも挑発的なアプローチで、社会規範やジェンダー、バイオテクノロジーといったテーマを扱い、新興技術がもたらす倫理的・文化的影響について問いかけている。

    作品はMoMA(ニューヨーク)、ポンピドゥー・センター・メッス(フランス)、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)、クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館(ニューヨーク)、金沢21世紀美術館(日本)、東京都現代美術館(日本)など、国内外の主要な美術館で広く展示されている。

    2013年から2017年までMITメディアラボの助教として勤務し、デザイン・フィクション・グループを創設・主宰した。その後、東京大学や東京藝術大学で准教授を歴任。現在は東京藝術大学客員教授。

    TEDフェローとしても活躍し、2019年にTEDトークを行ったほか、2017年には世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーズにも選出された。彼女の作品はM+(香港)、ヴィクトリア&アルバート博物館(イギリス)、金沢21世紀美術館(日本)など著名な美術館のコレクションにも収蔵されている。

    近年は社会起業家としても活動を広げ、職場における社員の健康とウェルビーイングを支援する企業「Cradle株式会社」を設立。現在では日本全国80社を超える企業にサービスを提供。

    開催日時: 2026年5月29日(金)17時
  • Gallery Talk vol.3 |木村絵理子 × 草野絵美

    6月13日(土)16時より 木村 絵理子氏(キュレーター・弘前レンガ倉庫美術館館長)と草野絵美による対談イベントを開催します。

    参加無料・予約制参加申込▶ info@root-k.jp
    参加ご希望の方は お名前 人数 を明記の上ご連絡ください

    ▶ ゲスト|木村絵理子
    キュレーター、弘前れんが倉庫美術館館長、多摩美術大学・金沢美術工芸大学客員教授、美術評論家連盟会員。2000-2023年まで横浜美術館学芸員。2005年から横浜トリエンナーレのキュレトリアル・チームに携わり、2020年の第7回展では企画統括。2023年より弘前れんが倉庫美術館副館長兼学芸統括になり、2024年より現職。
    主な展覧会企画に、2024年「蜷川実花with EiM: Where Humanity Meets Nature」弘前れんが倉庫美術館、2017-2019年「昭和の肖像:写真でたどる『昭和』の人と歴史」展、横浜美術館、アーツ前橋、ナショナル・ギャラリー・オブ・カナダへ巡回、2016年「BODY/PLAY/POLITICS」展、横浜美術館、 「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」展(2012-13年、横浜美術館、青森県立美術館、熊本市現代美術館) など。

    開催日時: 2026年6月13日(土)16時

UPCOMINGEXHIBITIONS

草野絵美
Emi Kusano

マルチディシプリナリー・アーティストであり、世界の生成AIアートシーンを牽引する第一人者の一人。10代で原宿のストリートファッションを記録する写真家としてキャリアを始動し、その初期作品はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に展示された。ファッションと写真におけるこれらの原体験は、マスメディアがいかに個人の、そして集団のアイデンティティを形成するかという、彼女の視座の礎となっている。

以来、彼女の実践は先端技術を統合する形で進化を遂げてきた。そこではAIを単なるツールとしてではなく、共創的なパートナーとして位置づけている。このプロセスを通じ、草野はデジタル時代におけるノスタルジア、ポップカルチャー、そして集合的記憶を批評的に探求している。
その作品は、M+(香港)、サーチ・ギャラリー(ロンドン)、グラン・パレ・イマーシブ(パリ)、フランシスコ・カロリヌム美術館(リンツ)、金沢21世紀美術館など、世界20カ国以上の主要機関で展示されている。また、フリーズ・ソウルやUntitled Art Miamiといった主要な国際アートフェアにも参加。特筆すべきは、写真的な感性とAI生成を融合させた代表作シリーズ『Office Ladies』が「Paris Photo」で特集され、世界的な注目を集めたことである。
2023年のGucciとクリスティーズによるオークションや、2024年のクリスティーズとUNHCRによるチャリティ・オークションへの出品がその象徴である。視覚芸術の枠を超え、音楽ユニット「Satellite Young」の主宰・リードシンガーとしても活動。80年代J-POPを現代的なSFのレンズを通して再解釈し、SXSWなどの国際的なイベントに出演している。
2025年には、世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダー」に選出された。
直近では、サイバーパンク・アニメの金字塔『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』とのコラボレーションによるニューヨークでの初個展『Ego in the Shell』を開催し、高い批評的評価を獲得した。アート・バーゼル香港2026のデジタルアートセクション、Zero10に日本人として唯一出展し大きな反響を呼んだ。

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草野絵美
Emi Kusano

マルチディシプリナリー・アーティストであり、世界の生成AIアートシーンを牽引する第一人者の一人。10代で原宿のストリートファッションを記録する写真家としてキャリアを始動し、その初期作品はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に展示された。ファッションと写真におけるこれらの原体験は、マスメディアがいかに個人の、そして集団のアイデンティティを形成するかという、彼女の視座の礎となっている。

以来、彼女の実践は先端技術を統合する形で進化を遂げてきた。そこではAIを単なるツールとしてではなく、共創的なパートナーとして位置づけている。このプロセスを通じ、草野はデジタル時代におけるノスタルジア、ポップカルチャー、そして集合的記憶を批評的に探求している。
その作品は、M+(香港)、サーチ・ギャラリー(ロンドン)、グラン・パレ・イマーシブ(パリ)、フランシスコ・カロリヌム美術館(リンツ)、金沢21世紀美術館など、世界20カ国以上の主要機関で展示されている。また、フリーズ・ソウルやUntitled Art Miamiといった主要な国際アートフェアにも参加。特筆すべきは、写真的な感性とAI生成を融合させた代表作シリーズ『Office Ladies』が「Paris Photo」で特集され、世界的な注目を集めたことである。
2023年のGucciとクリスティーズによるオークションや、2024年のクリスティーズとUNHCRによるチャリティ・オークションへの出品がその象徴である。視覚芸術の枠を超え、音楽ユニット「Satellite Young」の主宰・リードシンガーとしても活動。80年代J-POPを現代的なSFのレンズを通して再解釈し、SXSWなどの国際的なイベントに出演している。
2025年には、世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダー」に選出された。
直近では、サイバーパンク・アニメの金字塔『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』とのコラボレーションによるニューヨークでの初個展『Ego in the Shell』を開催し、高い批評的評価を獲得した。アート・バーゼル香港2026のデジタルアートセクション、Zero10に日本人として唯一出展し大きな反響を呼んだ。

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